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Saturday, May 28, 2011

Multistrada 1200により本格的Off Road touring - Dr. Wong Clinic 後編

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ところで通ったルートはGoogle Earth上では下記のとおり。
そうとう山道なのでズームしていくと、「道、無いやん」みたいな感じです。

さて、ひと段落ついて採掘場所を後にすると、しばらくして舗装路が登場!
「おー、これでようやく終わりかあ。楽しかったなあ」

と思ったら、さにあらず。
しばらくの間Dr.がなにやら数人と話していた後、
「まだまだ行くでー」とばかり、Dr.がオフロードに突入していきます。

どうやら26人という大所帯だったので、ここまでで相当のトラブル&リカバリーのため時間が押しています。既に3時を回って山のど真ん中。
なので、どうやらショートカットを決定した模様。

こっちは「えー、舗装路ちゃうの」と思いながらも、「もう僕帰ります」とも言えない山の真っ只中なのでついていきます。当然GPSナビに道の反応はまったくありません。

前でこけた人が立ち上がるまでに一枚写真。もう、人家はおろか、人の気配を感じるのに何百マイル行かないといけないのか、というほどの山の中。

で、このショートカットが最悪。道は狭い。更に悪いことに急な下り坂が多発。
登りはまだしも下りがきつい。後輪はほぼ常時ロックしたまま。前輪のブレーキをかけながら何とかクリアしていくものの、前述のJorgeもクラッシュ。
「小川に突っ込むか、その前でこけるかの選択で、その前でこけることにした」ということでした。

で、私は遅れ気味グループでついていったのですが、なんとDr.が帰ってくるではないですか。
いわく、
「ごめん。この先でゲート閉じられてたから、また来た道帰るね」

なんですとぉーーーー。
これまでで一番きつい下り坂をこけずにクリアしてきたのに、来た道戻るですとぉーーー。
そりゃないですやん。

ちゅうことで、ただでさえ押していた時間の、更に1時間半を無駄遣いして元に戻りました。皆、疲労困憊。

見た目はまだ行けるが、もう相当アカンようになってます。


で、戻った場所は例の舗装路だったので、「そう、そうだよDr. もう舗装路で帰ろうよ」と
誰もが思ったと想像に難くないのですよ。
ええ、私もそう思いましたですよ。

「舗装路だ。もう帰れる」ってね。

そんな甘いことになってないなんて、知る由も無くね。


そう、ここから更にちょっとだけ舗装路を進んでまたオフロードです。この時点で既に夕方5時。
サマータイムとはいえ、そろそろ家路が恋しい感じに日が陰ってきます。

そんなことはお構いなしにまたガンガンオフロードを進むDr.
そして、予期せぬ事態が発生


「大変です。谷底に一名、おちちゃいました!」

谷底に横たわる緑のKLRさん。

乗っていたおっちゃんは相当疲労困憊してまして、それほど狭くもきつくも無いカーブでこけて滑落したようです。幸いおっちゃんは一緒には滑落せずに無事でした。
ここからKLR救出作戦が始まります。




動画の最後で拍手する私の、力の無さがすべてを物語っていますねえ。もうしんどいのよ、こっちも。

で、その後もどんどん高度を下げていく夕日に向かってひた走ります。
そしたら今度は目の前で、もう一人のおっちゃんが転倒。
私はバイクを止めてレスキューに向かいます。

この溝にはまるとこけるわなあ。

で、私Multiの後ろに2台バイクがあるように、皆止まってレスキューしていたのですよ。
そしから、例の緑のKLRのおっちゃんが、止まれずに突進してくるのですよ!

「おーい、おっちゃん、止まって。いや、マジで止まってくれんとマズイー!!!ィィィィィ、、、」

と言っている間に、前でこけているHondaにつっこんでしまいました。多重クラッシュ、、、

幸い怪我は無かったのですが、もうみんなヘトヘトで体が言うこと聞いてくれません。

えっちらおっちら進んでいくと、最後の難関のように下り坂が連続します。しかもガレています。
ここでこれまで耐えてきたMultistrada 1200もとうとうこけてしまいました。

代償は、左カウル小傷。左ハンドルガード小破。シフトバーひん曲がり。

Jorgeが手持ち工具でなんとかシフトは足がひっかかる程度まで戻してくれたので、一速限定で下っていきます。もういやだ、、、

ちゅうことで、ようやくゴールにつくころには夜の8時。

夜の帳が下りています

なんとか全員ここまではたどり着いたのですが、一名Suzuki V-Stormはボトムを石でヒットしたようでオイル漏れ。ここに置いて帰ることになってしまいました。スキッドプレートは重要ですねえ。

常にしんがりを勤めてくれた別のKLRに乗るマイケル。彼にみんな相当助けてもらいました。

で、Dr.が「ここからは舗装路だから。みんな、ご苦労様でした」と言い残して帰宅。

私、その言葉、信じましたよ。


「でも、嘘じゃないですか!」

たまらん。そこから100メートルほどでまた下りのオフロードが始まる。
すでに夜9時を回って回りは暗い。Multiのヘッドライトは超頼りない明るさ。しかも、もう空気もそれなりに元に戻してしまったので、トラクションも聞きにくい。

泣きそう。いや、本当のこと言います。泣きました。

オフロードは100メートルほどだったので、何とかクリアしましたが、既に「一緒に帰ろうか」と言っていたオフローダー達のテールランプは遥か彼方。

「後ろに、二人のおっちゃんライダー。Honda & KLRがいる」

「でも、僕、もう面倒見てられない」

「ごめんね、おっちゃんたち」

と、涙を呑んで、二人のおっちゃんが無事下れたかどうかを確認することなく、真っ暗な山道を、ひたすら前のテールランプを追いかけます。暗い、狭い、寒い。最悪です。
おっちゃんの面倒みてたら、3人で遭難しかねない勢いです。

なんとかDucatiの本領発揮の舗装路で飛ばすのですが、何せMultiのヘッドライトが暗い、、、
まじでHIDに交換しよう。HiにしてもLowより頼りない光って、なんやねんこれ。

幸運にも日が暮れてめっちゃ寒くなったので、前に行ったライダーが上着を着込むために止まっていたので追いつくことができました。本当にSF近辺は寒暖の差が激しい。

「おい、Taka。Honda & KLRはどうした?」と聞かれましたが、
「さあ、後から頑張ってくるんじゃない」としか答えられませんでした。
ごめんなさいおっちゃんたち。

でもツレのライダーも「まあ、アカンかったら牧場にでもヘルプ求めて駆け込むやろう」というとっても大雑把な意見で会話終了。
アメリカだと、そんなのも大した問題ではないのかもね。

で、ようやくガソリンが入れられる町まで戻ったのが、11時。ここから更に我が家まで1時間で、帰宅したら次の日になってました。

Dr.いわく「前回は4時には終わってたんだよね」だと。

いやあ、つらかった。本気で泣き入った。まじで舗装路からはみ出さずに帰りたかった。

でも、楽しかった。Multiをオフロード仕様にする算段が出来上がってしまった。

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