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Saturday, March 5, 2011

改めて整備性悪し。Multistrada 1200

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1200マイル航続して、ようやくブレーキパッドの面取り作業を実施する機会に恵まれる。
いやー、本当はもっと早くやりたかったんですよ。それこそ購入して直ぐに。
でも、マニュアルが入荷していなかったのでトルク管理ができなかったのと、寒かったのと、面倒くさかったのと、、、という理由でやってませんでした。

とりあえず日本でやっていた手順を頭の中で思い返しつつ、「絶対してはいけない失敗」だけを心に刻みます。
それは何か?

「キャリパを分解した後に、決して不用意にブレーキレバーを握ってはならない」

これです、これに尽きます。
当たり前ですが、キャリパ分解したまんまでブレーキかけるとピストンがせり出して来て、やりすぎると「ぽろっ」とピストンが落ちます。そして、落ちたが最後ブレーキフルードがダダ漏れです。
おーまいごっど。これ、2回程やったことあります、、、

ちゅうことで、これに気をつけてまずはキャリパを外すところから。

ラジアルに取り付けてあるブレーキは初めてです。しかもブレンボ!
わくわくしながら、折り返してみましょう。

とりあえず締め付けトルクは45/nということがマニュアルから判明。私がもっている2つのトルクレンチのうち、精度が高い東日のトルクレンチの上限は40/n。ということは、精度の悪い方のアストロプロダクツのトルクレンチが必要。

で、外すのも相当なトルクをかけてあり、通常のレンチでは外れない。仕方がないので、アストロのトルクレンチを「緩む方向」にスイッチ切り替えて使用。このトルクレンチは150/nまで締めらる構造上、柄が長いのでてこの原理がよく効くのであります。

が、道具に詳しい方からお分かりのとおり、上記は「やっちゃ駄目」使用方法です。トルクレンチは必ず「締める方向」にしか使用してはならず、「緩む方向」に使用をしだすと、正確なトルクが計れなくなってきます。そうすると行き着く先は(1)校正に出す、か(2)力技用のレンチとして使用する(=トルク管理はしない)、となります。
アストロ製品だし、多分後者になるだろうなあ。でっかいトルクレンチはまた諭吉数枚で購入しますか、、、

さて、外れたキャリパはこちら。

まあ、外すのは簡単なのでして。ここから作業するために手前に引き出そうとしてトラブル発生。

「ブレーキディスクとホイールが邪魔で、手前にキャリパがでてきまへんがな!」


そう、恐ろしいことに、どうやっても作業しやすい手前にキャリパが引きずり出せません。どう見ても構造的にそれをするためにはブレーキディスクを外さないと行けない。そんな馬鹿な。

で、慌ててマニュアルを見て、引き出し方を探す。
「マニュアルが、そもそも車体にキャリパを取り付けたままの作業を想定しているよ、、、」


最悪です。ふぁっきんぐいたりあん、です。キャリパを本体に取り付けたままの清掃って、そんなアホな。それだと、どう考えても「ピストンの揉みだし掃除」ができませんがな。

本当に、何をどう設計したらそういう整備性の悪い車体になるのか、日本人からは想像もできませんが、仕方ありません。ルックスだけはすばらしいイタリアンに惚れてしまったのですから。

ちゅうことで、ベータピン外して、板留外して、パッドピン外して、パッド外します。
つべこべ言わんと作業しないと、夕方から雨の予報やし。

外れたパッド

ちゅうことで、パッドを外して清掃したのち、棒ヤスリで「面取り」を行います。
左が面取りした方、右がしていない方。あんまりヤリすぎても怖いのでこの程度で。

さて、これは前輪左のパッドを外したところでして、進行方向は写真上方向です。これを見て何か気がつきませんか?

気がついたあなたは注意力が高い。

そう、「パッドに切ってある溝が、右左のパッドで、進行方向に対して線対称になっていない」のです。

これ、いいの? いいの、ねえ、これ? これでいいの?

もう、夜中に「ブレンボ ブレーキパッド」でグーグル先生に聞きまくりましたが、回答が出てきません。他の日本製のパッドでも参考例がありません。
こういう線対称でもいいならいいで、それでいいのですが、不安でなりませんので、誰か知っている方がいたら教えてください。

とりあえず面取りだけはして、あとはパッドピンをピカールで磨きます。
上が磨いたほう、下が磨いていないほう

キャリパが本体から外れない以上、できる作業はここまで。
後はパッドの裏、パッドピン、板留に薄くシリコングリスを塗って、フリクション軽減とブレーキの鳴き止めとします。

写真は取り忘れましたが、このブレンボのパッド。遮熱版がついていませんでした。そうすると直にブレーキ時の熱がフルードに伝わって、フルードの交換サイクルが増えてしまうと思うのですが、、、なんでないんだろう?

しかも、パッド裏にはピストンと当たっているところに跡がついているのですが、2つあるピストンの片一方の跡が、パッドから部分的に外れています。
すなわち、ピストンの円周全体を使ってパッドを押し込めていない、ということに思えるのです。
「なんじゃこりゃ?せっかくのブレンボなのに、そんなんでいいのか?」と思ってしまうのですよ。
私が理解間違っているかもしれませんが、そんなことはあっては行けないと思うのです。

で、前輪が終わって後輪もやろうと思ったのですが、後輪はこれまた手が届かないような場所にあって面倒臭そう。
しかもマニュアルを見ると、何やらベータピンが2つも3つもあるように見えるし、、、

「ああ、もう!どうせリアは仕様として効きが悪いから、面取りまでせんでもええわい!」と切れてしまいまして、作業せず。ああ、もう。イタリアン。


ちゅうことで、Multistrada 1200では、下記のピストン揉みだし掃除用の道具と消耗品は出番がなさそうです、、、

かわいそうなピストン回し君(市価3,200円相当)と、ラバーグリス君

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